◆ 戦後なき沖縄からの省察─ わたしたちの歴史と平和のためのたたかい
 米軍は1945 年4月1日の沖縄島上陸とともに1950 年まで軍政を敷き、住民を捕虜収容所に強制収容し、軍用地民用地の区別なく土地を接収して基地を建設した。サンフランシスコ講和条約発効で日本は独立したが、その代償として沖縄は米国施政下におかれ、銃剣とブルドーザーの暴力で土地を強制接収された。
沖縄戦の不発弾処理や遺骨収集はいまも続き、米軍の基地集中と繰り返される事件・事故、新基地建設強行や訓練場の強化、加えて自衛隊強化と、沖縄に戦後はなかった。沖縄の人びとの歴史と現在を共有し「本土」との共闘を強く固めていこう。
①11月9日㈬ 戦争の実相は、かくも苛酷で悲惨だ
 ──沖縄戦と孤児院 ─ 戦場の子どもたち
 講師=浅井春夫(立教大学教授)
②1月14日㈯ 沖縄反基地闘争の源流を探る】
 ──『沖縄・反戦地主』(1996年・小川町シネクラブ制作)上映と討論
 報告=木村辰彦(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック事務局長)
③2月11日
(土・休) 憲法を実践する沖縄の闘い
 ── SEALDs琉球の活動から (定員50名・要予約)
 講師=元山仁士郎(沖縄・北部訓練場のヘリパッド建設強行に反対する若者有志の会)
④2月22日㈬ 沖縄をめぐる“わたしの恥宣言”
 ──本土で沖縄に連帯する闘いをどうすすめるか
 講師=髙嶋伸欣(琉球大学名誉教授)

◆ 安倍「働き方改革」に 正面から対決する労働運動を!
 〈労働者の味方〉の皮をかぶる安倍政権の「働き方改革」。その陰で、労働組合への攻撃、労働者への搾取は止まるところを知らない。しかし、資本と癒着しない闘う労働組合の抵抗、反撃も各地で前進している。こうした闘いに学び、階級志向の労働運動再建への水路を切り開こう。
①1月28日㈯ 相模鉄道のバス部門分社化攻撃と闘う
 ── 労使合意の一方的破棄・強制配転・出向攻撃に抗して
 報告=宮川敏一(元京成電鉄労組書記長)
②2月15日㈬ 労働契約法20条をめぐる判決の動向
 ──「郵政20 条裁判」「メトロ裁判」「長澤運輸控訴裁判」の判例から
 講師=宮里邦雄(前労働弁護団会長)
③3月15日㈬ 安倍の労働政策の仮面をはぐ
 ──「一億総活躍社会」攻撃のなかで労働者はどう闘うか
 報告=吉良 寛(横浜市従業員労働組合)

◆ 日本人民の戦後歴史認識を確立するために
 天皇制・朝鮮・ヒロシマという一見してバラバラな事象が、実は一本の太い線でつながっている。植民地支配と侵略戦争に明け暮れた日本の帝国主義的近代を国際主義の観点に立って克服できなかった負の遺産は、戦後70年を経たいまなお、日本人民の肩に重くのしかかっている。他民族を抑圧する民族は自由ではありえない。HOWSはこの観点を手放すことなく追究しつづける。
①11月23日
(水・休) 象徴天皇制の根源に迫る
 ──天皇の「生前退位」をめぐる思想状況 (13時開始)
 講師=山下勇男(社会主義理論研究)
②12月24日㈯ 朝鮮と日本を考える
 ── 今夏、朝鮮民主主義人民共和国を訪問して
 スライド上映と報告/終了後、午後4時から大懇親会
③1月21日㈯ ヒロシマが問いかけるもの
 ── 在韓被爆者問題とオバマ演説を手がかりに
 講師=石川逸子(詩人)

◆ 日本植民地主義の過去と現在を問う──「平和な戦後日本」の虚構をあばく
 「戦後70年」の年にたたかわれた戦争法反対運動には多くの人びとが立ち上がった。だが、そこで叫ばれた「戦後70 年間、平和だった日本」という日本人の「平和」観はどこから来たのか? 日本帝国主義の「戦前-戦後」に貫通する植民地主義の実相を抉り出し、日朝人民のあいだに楔を打ちこむ分断・支配の構造を打ち破ろう!
①12月3日㈯ 20 15年の戦争法反対運動、もう一つの見方
 ── 在日朝鮮人のたたかいから「平和な日本」の歴史像を問い直す
 報告= 鄭 栄桓(チョン・ヨンファン) (明治学院大学教員)
②1月18日㈬ 植民地主義とヘイト・クライム
 ──ヘイト・スピーチ解消法成立以後の課題を考える
 講師=前田 朗(東京造形大学教員)
③3月1日㈬ 「平和な戦後日本」像と歴史認識
 ──外務省文書「日本外交の過誤」から安倍「戦後70年談話」に貫通するもの
 報告=土松克典(韓国労働運動研究)
④3月18日㈯ 戦後も克服されていない日本の植民地主義
 ──「 日韓条約」締結交渉過程にあらわれた植民地主義と運動主体の弱点
 講師=文 泰勝(ムン・テスン) (朝鮮大学校政経学部教員)

◆ マスメディアは何を報道しないのか
 安倍政権下、マスメディアの翼賛化が著しい。それは、消費税増税やTPP、朝鮮報道などでの露骨な翼賛、秘密保護法や安保法制などでの及び腰報道だけではない。重要な問題で「ことの真相を報道しない」ことも重大な問題だ。
 本講座では、「何を報道しないのか」を切り口に、〈マスメディアの今〉を考える。
①11月17日㈭ 歴史修正主義と闘うジャーナリストの報告
 ──私は「捏造記者」ではない (定員50名・要予約)
 講師=植村 隆(韓国カトリック大学客員教授、元『朝日新聞』記者)
 進行=山口正紀(ジャーナリスト、人権と報道・連絡会世話人)
②3月25日㈯ 被災地で進行している事態
 ── 強制帰還と癌の多発
 講師=國分富夫(「福島原発被害者 相双の会」会長)
③3月29日㈬ リオデジャネイロから東京へ
 ──マスメディアが報道しないオリンピックの裏側
 講師=谷口源太郎(スポーツジャーナリスト)

◆ 政府独占の女性・家族利用、その狙いを暴く
 安倍政権は臨時国会の所信表明演説で「一億総活躍の『未来』実現のカギは働き方改革」であるとし「労働者寄り」「女性や非正規労働者の味方」というイメージをふりまいている。しかし戦争政策遂行の下、家族を国家統治の最小単位として利用し、保育・医療・介護などを家族(女性)に押しつけ、社会保障費用削減を狙っている。そのために憲法24 条(家族条項)を改悪して、「家族扶助」「国の防衛、非常事態における国民の協力義務」の徹底を図る。今期の講座では「憲法24 条」改悪と、戦争に抗した女性の歴史に学ぶ。
①1月11日㈬ 自民党改憲草案「24条家族条項」批判
 ──伝統的家族規範や家制度復活に反対
 講師=千葉恵子(弁護士)
②2月18日㈯ 抵抗の歴史は弾圧の歴史
 ── 戦前・戦中の日本女性の闘いに学ぶ
 講師=江刺昭子(ノンフィクションライター/女性史研究家)
③3月4日㈯ 国際婦人デー3・4東京集会

◆ 社会主義こそが解決の道
 レーニンはその著作で「帝国主義は独占段階の資本主義であり、社会主義革命の前夜である」ことを明らかにした。帝国主義諸国間の不均衡発展のなか対立が激化し、支配階級による諸国人民へのすさまじい攻撃が進行している。社会主義を見据えた労働者階級勤労人民の闘いの現状とわれわれの課題について考える。
①11月26日㈯ イギリスのEU離脱をどうみるか
 ──帝国主義同盟としてのEU、困難な闘いを開始する英国人民
 講師= 富山栄子(国際交流平和フォーラム)・沖江和博(国際政治研究)
②3月22日㈬ 現代の帝国主義
 ──『帝国主義論』100年、その現代的意義に関して
 講師=鎌倉孝夫(埼玉大学名誉教授)

◆ 世界の短編小説を読む
 二十世紀以降の現代とはどのような時代なのか、「現代」と言われるその精神風土は、作家の眼にどのような相貌として映っているのか。
 今期はそれを「現代ドイツ文学特集」として、四つの作品をとおして考えていきたい。
講師=立野正裕(明治大学教授) (各回とも午後7時から開始)
①11月15日㈫ ムージル作「トンカ」 『三人の女』(岩波文庫)所収
②12月6日㈫ ノサック作「滅亡」『 死神とのインタヴュー』(岩波文庫)所収
③1月24日㈫ バッハマン作「三十歳」 『短編集 三十歳』(岩波文庫)所収
④3月7日㈫ シュリンク作『朗読者』 (新潮文庫)

◆ HOWS文化講座
 今期はつくられつつある戦争体制に抗して、労働者人民の文化を創造するために何をなすべきかを考える講座を用意した。抑圧に抗した先人に学び、俗情に抗する精神の矢で、俗情と結託し戦争に加担するエセ文化を射抜く。
①12月10日㈯ 藤田嗣治の戦争画を検証する
 ── 極秘扱いの『昭和18年度及び昭和19年度・戦争記録画制作の為画家現地派遣計画書』による
 講師=笹木繁男(美術ドキュメンタリスト)
②12月14日㈬ 封殺されたもうひとつの近代
 ── 透谷と啄木の足跡を尋ねて
 ゲスト=渥美 博(『封殺されたもうひとつの近代』著者)
③2月26日㈰ 俗情に抗する精神
 ──いま大西巨人を読む
 報告=山口直孝(二松学舎大学教員)/田代ゆき(福岡市文学館)