2019年度後期 開講講座 ロシア十月社会主義革命102周年記念集会 11月9日㈯ 開場 14時15分 開会 14時30分 会場=文京シビックセンター・26階スカイホール 主催者挨拶 広野省三(HOWS事務局責任者) 映画『地の塩』上映 解説=井野茂雄(文化活動家) この映画はアメリカ合衆国ニューメキシコ州にある亜鉛鉱山での鉱山工場精錬労働組合が鉱山事故を契機に「環境改善、メキシコ系労働者差別の撤廃」を掲げてストライキで闘い、勝利するまでを描いている。実話に基づくもので、レッド・パージをうけてハリウッドを締め出された映画人たちと、共産主義者が幹部にいるという理由でCIO(アメリカ産別労働組合会議)を除名された当該組合が手を組んで完成させた。 1.朝鮮半島からみた日本の歴史 朝鮮半島と日本は、古代より深いつながりを持っていた。にもかかわらず、明治維新を境に、アジアの盟主を夢見て帝国主義の道を歩んだ日本は、隣国の朝鮮をあたかも目下の民族であるかのように見下し、戦争に次ぐ戦争と、35年間に及ぶ植民地支配の末、1945年に無条件降伏をさせられた。しかしその根は完全に掘り起されはしなかった。隣りあう朝鮮半島と日本の歴史を、1年間のシリーズを通じて学んでいく。 ●本講座は前期からの連続講座です。 講師=康成銀(カンソンウン)(朝鮮大学校朝鮮問題研究センター長) ⑥12月4日㈬ 日露戦争(第2次朝鮮・東北アジア戦争)と韓国強制「併合」 ⑦1月15日㈬ 日本の朝鮮植民地支配と民族解放戦争 ⑧2月12日㈬ 解放と分断 ── 日本の「戦後民主主義」と朝鮮戦争 ⑨3月28日㈯ 21世紀の朝鮮と日本 ── 脱植民地主義・脱冷戦 2.日本の近代化とアジアの女性 東南アジアは11か国、それぞれ海洋にひろがる半島部と数百の島嶼からな る。多様な文化、豊かな資源を持つゆえに数百年に渡って欧米諸国の植民地と され、さらに日本の侵略によって虐殺、強制労働、慰安婦制度等々の忌まわし い経験を強いられた。いまは世界の工業国として発展しているが、日本の過去、 そして現在も続く「侵略」の現実は日本国内にはほとんど知られていない。 アジア諸国と日本の平和を女性の視点から探っていきたい。 ●本講座は前期2回、後期2回を予定しています。 講師=中原道子(早稲田大学名誉教授) ①12月7日㈯ 東南アジアとはどういう地域か ── 広大な土地、資源と、長い長い植民地時代 ②1月22 日㈬ 日本はなぜ東南アジアに進出していったのか ── 資源の獲得ー軍国主義とアジア蔑視の思想
3.敵の攻撃が、労働者・人民の運動を鍛える。起ち上がろう! この20年、グローバルな資本間競争に立ちおくれてきた日本独占は、いま や、かれらの搾取構造と労働者支配の基盤であった「日本型雇用」に手をつけ るところにまで追い詰められている。関西生コン支部への大弾圧は、予想され る人民の反撃に対する予防拘禁的な攻撃にほかならない。労働者・人民の現状 をとらえ返し、ともに闘う拠点をつくりだそう。闘う指導部をつくりだそう。 ①11月30日㈯ 現代日本の労働者階級の状態 ── 拡大する格差・貧困 その打開の道は 講師=鎌倉孝夫(埼玉大学名誉教授) ②12月18日㈬ 大久保製壜 労働災害からストライキへ ── 職場を基礎に地域ぐるみで闘おう 講師=須田光照(全国一般全国協議会東京東部労組書記長) ③3月18日㈬ 政府・独占による労働運動根絶やし攻撃をはね返そう ── 関西生コン労働者への弾圧の意味するもの 講師=萩尾健太(弁護士) 4.日本と朝鮮半島の関係史 (1960年代~ 1970年代)と現在 日本と朝鮮半島の関係史において、1965年の「日韓基本条約」締結から1975年の「11・22学園浸透スパイ団事件」までの10年間はどのような時代だったのか? そして、それから半世紀近い年月が経ったこんにちの日本と朝鮮半島の関係はどうなのか? 人民の連帯運動の観点からこの時代に光をあて、現在のあり方を考える。 ①11月23日㈯ 「クナリオンダ」(その日が来る)の時代と今日の朝鮮半島情勢 ──「11・22在日韓国人政治犯事件・死刑判決」(1975年)から44年を生きて 講師=康宗憲(カンジョンホン)(韓国問題研究所代表) 定員50名。要、事前予約 ②3月14日㈯ 日韓条約の問題点 ── 韓国報道番組を上映して 講師=土松克典(韓国労働運動研究) 5.メディアの情報操作を乗り越え、国際的視野をもって闘おう! わが国の大衆運動の最大の弱点の一つは、国際的視野が欠けている点にある。 情報過多ともいうべき状況がある一方、闘う労働者人民にとって本当に必要な情報は、マスメディアの意図的操作によって極端にまで狭められ、歪められている。 HOWSは今後ともその制約を乗り越える講座を提供しつづける。 ①12月11日㈬ 香港デモと中国本土および日本 ── 歴史的観点から状況をみる 講師=丸川哲史(明治大学教員) ②12月14日㈯ キューバ革命60年の成果と影響力 ──『人民のために闘いを挑む──ウーゴ・チャベス』 (2005年、小川町シネクラブ制作・43分)上映 講師=富山栄子(国際交流平和フォーラム代表) ③1月18日㈯ イギリス労働党とジェレミー・コービン ── 労働組合運動に依拠するその思想と行動 『英国の政治反乱』(24分)上映 講師=沖江和博(国際政治研究) ④2月19日㈬ 社会主義体制「崩壊」の意味(仮) ── ポーランド・ユーゴスラビアの具体例にそくして 講師=岩田昌征(千葉大学名誉教授) 6.大西巨人『神聖喜劇』を読む ── 光文社文庫版(全五巻)をテキストに アドバイザー=立野正裕(元明治大学教員) 山口直孝(二松学舎大学教員) アジア太平洋戦争中の対馬兵営を舞台に、青年知識人東堂太郎が不条理に抵抗しながら回生していくさまを描いた本作は、20世紀文学の傑作と評価されている。全五巻、文庫本で2,500ページの大作を読み、主人公たちがたたかう精神をいかにつちかい、連帯する可能性をはぐくんでいったかを検証し、その今日的意義を探っていく。 ①1月25日㈯ 第七部 連環の章(第五~第七) ── 連帯形成の道筋 (光文社文庫版第四巻) 報告=添田直人(HOWS受講生) ②2月22日㈯ 第八部 永劫の章(第一~第三) ── 軍隊内闘争の到達 (光文社文庫版第五巻) 報告=伊藤龍哉(HOWS受講生) ③3月21日㈯ 第八部 永劫の章(第四、終曲) ── 東堂太郎のその後 (光文社文庫版第五巻) 報告=杉山雄大(HOWS受講生) ●このシリーズは、受講生が分担して報告を行ないます。 7.日本の短編小説を読む 今期は久しぶりに日本文学に立ち返り、近現代作家から重要な三人の秀作を選んだ。 いずれも作家として生活者として、小説を書き続けてゆくことの苦悩と決意を揺るぎない筆致のうちに描き出し、困難な状況と時代に立ち向かう人間の真摯な姿を浮き彫りにする。 (開始時間は各回とも午後6時30分) 講師=立野正裕(元明治大学教員) ①11月20日㈬ 有島武郎「生れ出づる悩み」 (『小さき者へ/生れ出づる悩み』新潮文庫収録) ②1月29日㈬ 有島武郎「小さき者へ」 (『小さき者へ/生れ出づる悩み』新潮文庫収録) ③2月26日㈬ 宮本百合子「築地河岸」 (『日本近代短篇小説選昭和篇1』岩波文庫収録) ④3月11日㈬ 太宰治「東京八景」(『走れメロス』新潮文庫収録) 8.この人にきく ①1月12日㈰ 粟津潔の仕事 ── 粟津潔の映像作品を観ながら 講師=粟津ケン(デザイナー) ②2月8日㈯ 日本の資本家たちはアメリカの核政策にどう加担してきたか ──言ってはいけない真実 講師=金野正晴(自営業) ③2月29日㈯ 『教えられなかった戦争・沖縄編──阿波根昌鴻・伊江島のたたかい』(高岩仁監督、1時間50分)上映 お話「沖縄・辺野古のたたかいの現状」 講師=西浦昭英(『教えられなかった戦争』シリーズ上映実行委員会・現辺野古抗議船船長 |