2020年度後期 開講講座
11月7日(土) 13時30分~16時15分
ロシア十月社会主義革命103周年記念集会
会場
 東京・文京区民センター3A会議室
映画

ソ連映画 『チャパーエフ』上映
(監督=ワシーリエフ兄弟、1934年・ソ連)


1、レーニン『帝国主義論』を読む
 正式な書名は『資本主義の最高の段階としての帝国主義』。レーニンはこの 著作を、1917年の十月社会主義革命の前年春、亡命先のチューリヒで書いた。 出現から100年、それは現代世界を解明する理論的基準として、いまなお生 命力を保ちつづけている。本書の読解をつうじて混迷する時代状況を切り開く 理論的道すじを探りたい。
  講師=山下勇男(社会主義理論研究)
①12月19日(土) 『帝国主義論』成立史と理論的到達点
②1月16日(土) 帝国主義の本質はどこにあるか
③2月13日(土) 『帝国主義論』100年後の現代世界
④3月13日(土) 日本共産党に見る転向の軌跡

2、コロナ禍での攻撃はねのけ、 階級的な労働運動の再建を!
 コロナ禍のもと、これまでに増して非正規労働者、女性、移住労働者、弱い 立場の労働者・人民の生活と権利がおびやかされている。雇用労働者を企業外 の個人事業主に置き換える動きも拡大している。戦闘的な労働組合に対する系 統的な弾圧、組合つぶし攻撃も継続している。
しかし、こうした攻撃に立ち向かう運動、労働組合も厳然と存在する。その 運動と思想に学び協働しつつ、労働運動の階級的再建の端緒をつくりだそう。
①1月9日(土)移住労働者とわたしたち
 ──
入管法の改悪とコロナ禍のなかで
 講師=指宿昭一(弁護士・暁法律事務所)
②3月17日(水)雇用されない働き方のルールとセーフティネット
 ──
フリーランスの労働問題を考える
 講師=杉村和美(出版ネッツ執行委員・編集者)
③3月20日(土)
労働運動とつながる市民運動の思想
 
──関西生コン労組不当弾圧を許さない市民運動を起ち上げて
 映画『棘─ひとの痛みは己の痛み・武健一』上映 (杉浦弘子監督・65分)
 講師=高梨晃嘉(共同行動のためのかながわアクション代表)

3、20世紀社会主義の教訓と 中国社会主義について考える
 改革開放以後の中国の経済建設路線には様々な批判がある。第1講では、習 近平指導部の「特色ある社会主義」思想の解明と米国トランプ政権が一方的 に押し進めてきた米中対立の行方について考える。第2講は、2021年の創立 100周年を契機に中国共産党史からみた中国の歴史的考察。第3講は、来るソ 連崩壊30年を前に、20世紀の社会主義の教訓と未来社会について構想する。
11月21日(土)習近平中国の「特色ある社会主義」と米中対立
 
講師=浅井基文(国際問題研究者)
②1月23日(土)中国共産党創立100周年を前にして

 ──中国共産党史からみる中国の過去・現在・未来
 講師=村田忠禧(横浜国立大学名誉教授)
③2月20日(土)ソ連邦崩壊30年の今年、ふたたび社会主義について考える
 講師=岩田昌征(千葉大学名誉教授)

4、侵略国家アメリカ──その歴史と現実
 世界戦争は20世紀、「サラエボ事件」「ナチスのポーランド侵攻」として表層 的に現われました。前進する労働者階級の闘争と植民地支配下の反帝独立闘争、 大十月社会主義革命の勝利は資本主義的支配に新たな矛盾を作り出し、再度の 大戦と核の時代を生み出しました。1945年、米国は世界最大の経済・軍事力を 獲得、しかし、その後は対外侵略戦争の連続でした。
※このシリーズは火曜日の開催です。ご注意ください
 講師=富山栄子(国際交流平和フォーラム代表)
①11月10日(火)中東・アフリカへの介入と支配
 ──あくことなき資源争奪戦争
②2月16日(火)ソ連・東欧への反革命攻撃
 ──反ソ・反共イデオロギーの全世界への流布とその実践

5、大西巨人の批評を読む──『戦争と性と革命』『大西巨人文選』などに所収の諸論文から
一年余にわたるHOWS連続講座「大西巨人『神聖喜劇』を読む」は終了した。 参加者はさまざまなことを学んだ。本講座では、『神聖喜劇』講座で学んだこ とを、日本の敗戦後から1990年代後半までに書かれた大西の批評文を読むこと でさらに深めていきたい。それは現在われわれが直面している問題を解く手が かりとなるだろう。
①1月30日(土)感染症と差別
 ──「ハンセン氏病問題」(1955年)などの諸論文
 報告=HOWS受講生
②2月27日(土)インターナショナリズムの復権
 ──「コンプレックス脱却の当為」(1997年)
 報告=HOWS受講生

6、日本の短編小説を読む
 日本ファシズムの激化してゆく時代、戦争に突入してゆく時代、文学者たち はどのように時代および現実と向き合ったのか。そのまなざし、その精神のう ちそとを、当時を代表する四人の作家それぞれの秀作をとおして見つめなおす。
(開始時間は各回とも午後6時30分)
 講師=立野正裕(元明治大学教員)

①12月2日(水)中野重治「歌のわかれ」
(『村の家/おじさんの話/歌のわかれ』講談社文芸文庫収録)
②1月27日(水)武田麟太郎「日本三文オペラ」
(『日本三文オペラ─武田麟太郎作品選』講談社文芸文庫収録)
③2月24日(水)横光利一「春は馬車に乗って」
(『日輪/春は馬車に乗って 他八篇』岩波文庫収録)
④3月24日(水)川端康成「禽獣」
(『水晶幻想/禽獣』講談社文芸文庫収録)

7、パリ・コミューン150周年
 2021年は「パリ・コミューン150年」。「国家」のみ語られることが多いけれど、「人民の事業」としてもとらえたい。その手がかりとしてブレヒトの戯曲『コ ミューンの日々』を置き、その上演批評や読み込みをして書かれた武井昭夫の「パリ・コンミューンの教訓」と湯地朝雄の「『コンミューンの日々』をめぐっ て」を読むと、歴史を覆う霧が晴れていくように思う。
①3月27日(土)B・ブレヒト作『コミューンの日々』を再考する

 ──武井昭夫、湯地朝雄の論考を通じて
 報告=井野茂雄(文化活動家)

8、この人にきく
①11月14日(土) キューバの医療・社会保障制度と人民の政治参加
 ──「キューバがコロナ抑え込みに成功――知られざる最先端 の医療」(テレビ朝日)上映と報告
 講師=キューバ大使館から
②11月28日(土) 現代日本の反動潮流
 ──愛国心を振りまわす懲りない面々
 講師=安田浩一(ノンフィクションライター)
③12月5日(土)日米地位協定の締結60年・現場から問う
 ──2020年に沖縄で起きた事件とその報道について
 講師=吉川 毅(『沖縄タイムス』東京支社・報道部長)
④12月12日(土)安倍政権の危険きわまる「置きみやげ」
 ── 「敵基地攻撃論」 の急浮上
 講師=纐纈 厚(明治大学特任教授)