2020年度前期 開講講座(定員25名、要予約・先着順)
5月9日(土) 13時~16時30分
講演
日本社会に朝鮮学校があることの意味
  講師=金勇大
(キムヨンデ)(朝鮮大学校教育学部准教授)
映画

『朝鮮人になるということ』上映
千葉朝鮮初中級学校初級部新1年生の1年間の記録
(石井政和監督、15分、2019年)


1、日本社会の憲法観・「平和と民主主義」を問う
 「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」を三大原則とする日本国憲法。
その憲法の改悪を自民党と安倍政権は、いまなお恐るべき執念をもって追求している。
 憲法・法令無視が大手を振ってまかり通る日本の政治状況を変えるには、これに反対するわれわれ日本人民がこの日本国憲法の成り立ち、その成果と弱点を主体的に把握しなければならない。憲法の空洞化の危機、その現実をわれわれ自身が直視しつつ、今期は国際的視野と労働者の階級意識との関連で憲法をみつめ直す企画を組んだ。
①6月6日(土) 戦争とカニバリズム
 ──日本軍による人肉食事件が問いかけるもの
 報告=永尾俊彦(ジャーナリスト)
②7月4日(土) 日本国憲法と在日朝鮮人
 ──戦前・戦後を通じたその歴史を検証する
 報告=田中 宏(一橋大学名誉教授)
③7月11日(土) 日本共産党の「未来社会論」の検討
 ──独占資本との対決を回避した「現代革命」の非現実性
 報告=鎌倉孝夫(埼玉大学名誉教授)
④7月18日(土) 「仕組まれた」関西生コン労組弾圧事件
 ──警察・検察とヘイト集団が結託する弾圧の構造
 報告=安田浩一(ノンフィクションライター)

2、「大西巨人の批評を読む」
 ──『戦争と性と革命』『文選』など所収の諸論文から

(前期2回、後期2回)
 一年余にわたる連続講座「大西巨人『神聖喜劇』を読む」は終了した。参加者はさまざまなことを学んだ。本講座では、『神聖喜劇』講座で学んだことを、日本の敗戦後から1990年代後半までに書かれた大西の批評文を読むことでさらに深めていきたい。それは現在われわれが直面している問題を解く手がかりとなるだろう。本講座からの参加も大歓迎です。
 このシリーズは、受講生が分担して報告を行ないます。後期も2回予定しています。
①8月29日(土) 「あけぼのの道」を開け
 ──
「『あけぼのの道』を開け」(1946年)などの諸論文
報告=HOWS受講生
②10月3日(土) 俗情との結託
 ──
「俗情との結託」(1952年)などの諸論文
報告=HOWS受講生

〈後期(2020年11月~2021年3月)開催の講座テーマ〉
③感染症と差別
 
──「ハンセン氏病問題」(1955年)などの諸論文
④インターナショナリズムの復権
 
──「コンプレックス脱却の当為」(1997年)

 ◉下記シリーズ「3、日本の近代化とアジアの女性」は、
  11月からの2020年度後期講座で行なう予定です。

3、日本の近代化とアジアの女性
 東南アジアは11か国、それぞれ海洋にひろがる半島部と数百の島嶼からな
る。多様な文化、豊かな資源を持つゆえに数百年に渡って欧米諸国の植民地と
され、さらに日本の侵略によって虐殺、強制労働、慰安婦制度等々の忌まわし
い経験を強いられた。いまは世界の工業国として発展しているが、日本の過去、
そして現在も続く「侵略」の現実は日本国内にはほとんど知られていない。
アジア諸国と日本の平和を女性の視点から探っていきたい。
 本講座は前期からの連続講座です。
講師=中原道子(早稲田大学名誉教授)
①日本帝国主義による軍政時代
 ──東南アジア全土に広がるロームシャ・慰安所
②女性国際戦犯法廷20年の歴史をどう活かすか
 ──いまもつづく戦時性暴力を根絶する闘い

4、資本と対峙する労働運動──再建の道すじを求めて
 闘いは労働現場で、一人から始まることがある。不当な抑圧、差別に抗する声を現実の運動に転化するには労働組合が不可欠だ。同時に、私たちは、闘いが個別化され分断され、集団的な闘争に発展しない・できない現状を突破しなければならない。そのためには、運動の指導部の右傾化、弱体化の克服とともに、現代資本主義の搾取構造の変容を見据えることが必要だ。
①9月2日(水) 資本家の5G・AI・IoT戦略と労働者
 ──階級的(階級志向の)集団的な運動強化が必要だ
 報告=吉良 寛(横浜市従業員労働組合)         
②9月26日(土) 映画『アリ地獄天国』(完全版)上映
  (2019年・98分 監督=土屋トカチ)
 報告=土屋トカチ(映像グループ ローポジション)

5、侵略国家アメリカ ── その歴史と現実
 このシリーズでは、アメリカ合衆国の成立から現在までの侵略と戦争の歴史に焦点をあてながら、「自由世界の擁護者」「世界の警察官」として振る舞うアメリカ合衆国の本質を検証する。
 講師=富山栄子(国際交流平和フォーラム代表)
(注意)このシリーズは火曜日の開催です。ご注意ください。
①6月9日(火) アメリカ合衆国の成立
 ──南北戦争・西部開拓・メキシコ侵略
   キューバ・ベネズエラ・ニカラグア攻撃
②7月7日(火) 米国のアジアへの侵略と戦争
 ──朝鮮戦争・ベトナム戦争、中国への介入・懐柔・対決

〈後期(2020年11月~2021年3月)開催の講座テーマ〉
③中東・アフリカへの介入と支配 あくことなき資源争奪戦争
④ソ連・東欧への反革命攻撃 反ソ・反共イデオロギーの全世界への流布とその実践

6、日本の短編小説を読む
 
今期はとくに統一テーマを設けず、近代現代の秀作を幅広く取り上げる。と
はいえ、四編個々の作品が指し示している世界は、こんにちのわれわれの現実
をさらなる探求の対象とするうえで、文学の入り口となることまちがいないで
あろう。 (開始時間は各回とも午後6時30分)
 講師=立野正裕(元明治大学教員)
①6月24日(水)小林多喜二「防雪林」
②7月15日(水) 芥川龍之介「奉教人の死」
③8月5日(水)埴谷雄高「虚空」
④9月16日(水) 北條民雄「いのちの初夜」

7、国際的・階級的視点をもって闘おう
①5月16日(土) 光州蜂起から40年、そして2020年総選挙

 ──いま韓国で何が問われているか?
 報告=李泳采(恵泉女学園大学教授)
②5月23日(土) 在日朝鮮人が辺野古で闘うことの意味
 ──「朝鮮人軍夫」の映像上映を予定
 報告=金治明(沖縄戦と朝鮮人強制連行を記録する会)
 ※この講座は午後5時~8時30分までの変則開催になります。ご注意ください。
③6月20日(土) 反独占・平和と社会主義を求めて闘う青年たち
 ──世界民主青年連盟の活動から
 報告=近藤和樹(社会主義青年同盟委員長)
④9月19日(土) ユーゴスラビア内戦の真相
 ──マスコミが伝えない真実に迫る
 報告=岩田昌征(千葉大学名誉教授)

8、この人にきく
①8月19日(水) わたしが出会った人と運動
 ──足尾・水俣・福島原発・沖縄・関ナマの闘いから
 講師=乱鬼龍(川柳人・アクティビスト)
②8月22日(土) 目取真俊『ヤンバルの深き森と海より』がつきつけるもの
 ──「沖縄問題」ではなくわたしたちの問題として考える
 講師=毛利孝雄(沖縄大学地域研究所特別研究員)
③9月5日(土)朝鮮人と向き合った稀有の日本人作家・小林 勝
 ──その人と思想を考える
 講師=卞宰洙(元朝鮮大学校教授)
④9月12日(土) 大震災・原発事故から10年
 ── 国・東電の責任を追及してつづける闘い
 講師=國分富夫(相双の会会長)