2021年度前期 開講講座  5月15日㈯ 13時00分~15時30分

小林勝と日朝連帯の思想
― 生まれ「故郷」への郷愁を拒否し故郷と隔絶された在日朝鮮人に アプローチした稀有の作家

講師=卞宰洙(ピョンジェス)(文芸評論家・元朝鮮大学校教授)


1、日朝連帯の思想をつちかう
 日本国内に蔓延する歴史修正主義・排外主義のあらわれに抗するには、日朝間の過去・現在を知る努力を積み重ねることが大切だ。その不断の取り組みをつうじて、わたしたちは日朝連帯の未来をたぐりよせることができる。過去それを実践した先達に学び、現在それを実践している同志からの報告を聞き考え、そして行動へ!
①5月15日(土) 小林勝と日朝連帯の思想
 ──生まれ「故郷」への郷愁を拒否し故郷と隔絶された在日朝鮮人にアプローチした稀有の作家
 講師=卞宰洙(ピョンジェス)(文芸評論家・元朝鮮大学校教授)
②6月12日(土) 朝鮮労働党第8回大会から見る朝鮮民主 主義人民共和国の内外政策
 講師=李柄輝(リ ビョンフィ)(朝鮮大学校 朝鮮問題研究センター教授)
③7月31日(土) この裁判は歴史修正主義との闘いだ
 ──「群馬の森」朝鮮人追悼碑控訴審判決日(8月26日)を前にして
 DVD『追悼碑除幕式』(2004年4月24日)あり
 講師=倉林 誠(「記憶 反省 そして友好」の追悼碑を守る会事務局次長)
④8月1日(日) ドキュメンタリー映画 『アイたちの学校』
 監督=高賛侑(コ チャンユ )上映と討論
⑤9月25日(土) 朝鮮半島と日本の歴史認識を研ぎ澄ませ!
 ――「反日種族主義」現象を批判的に考察する
 講師=鄭栄桓(チョンヨンファン)(明治学院大学教授)

2、中国共産党創立100年の今年、現代中国が直面する課題を探る
 今年2021年は、中国共産党が1919年の抗日・反封建・反帝国主義の学生・労働者などによる五四運動(1919年)の烈火のごとき大衆運動の中から生まれて100年となる。また1921年は、作家魯迅が中国社会の半封建・半植民地の現実を描いた『阿Q正伝』を発表した年でもある。今期講座では人民中国建国(1949年)100年にむけた奮闘目標、「社会主義現代化強国」をめざす習近平中国が直面する課題と、帝国主義陣営による「中国脅威論」にもとづく中国包囲網に対峙する<中国>にどう向き合うかについて考える。
①6月5日(土) 中国共産党創立100年の歴史と今日の課題
 
──「中国社会主義中上級段階試論」を踏まえて
 講師=瀬戸 宏(摂南大学名誉教授/中国現代文学演劇、中国社会主義論)
②8月1日(日) わたしたちが中国をみるときに留意しておくべきこと
 講師=羽根次郎(明治大学教員/中国近現代史、現代中国論)

3、いま、労働者に問われている思想を掘り起こす
 労働組合が企業内化し、労働運動が日本社会に対する規制力を低下させて久しい。コロナ禍が、この弱体化した日本労働運動のいまをあぶりだしている。こうしたなかでも闘いの旗を掲げ、闘う労働者がいる。いま労働者が掘り起こすべき思想とはなにか? 政府・独占の戦略とあわせて考える。
6月2日(水) 日本労働運動、焦眉の課題を語る
 ──なぜ労働組合は春闘を闘えなくなったのか
 
講師=宮川敏一(元京成電鉄労働組合書記長)
②7月10日(土) 戦後日本の進路を決定づけたサンフランシスコ講和条約

 ――70年前と現在を検証し、「冷戦」イデオロギーを批判する
 『戦後日本労働運動史』第3巻上(スペース伽耶刊)を手がかりに
 講師=土松克典(韓国労働運動研究)
③8月7日(土) ペンでヘイト集団とたたかう新聞労働者
 ――ヘイトスピーチをなくすために
 講師=石橋 学(『神奈川新聞』記者)
④9月8日(水) デジタル庁は何を狙っているか
 ――独占資本の危機乗り切り策と菅政権
 講師=吉良 寛(自治体労働者)

4、日本の短編小説を読む
 今期は近現代の日本文学のなかでも独自性の際立つ作品を書き続けた四人の女性作家を取り上げ、それぞれの代表的な中短編から一作を選んで読むことにする。
(開始時間は各回とも午後6時30分)
 講師=立野正裕(元明治大学教員)
①6月23日(水)野上弥生子「海神丸」
(『海神丸』岩波文庫)
②7月14日(水)田村俊子「木乃伊の口紅」
(『あきらめ・木乃伊の口紅他四篇』岩波文庫)
③8月18日(水)宮本百合子「乳房」
(『一九三二年の春・刻々・小祝の一家・乳房』新日本文庫)
④9月15日(水)吉野せい「洟をたらした神」
(『洟をたらした神』中公文庫)
※入手困難な作品は、HOWS事務局までお問い合わせください。

5、HOWS文化講座
一年余にわたるHOWS連続講座「大西巨人『神聖喜劇』を読む」は終了した。 参加者はさまざまなことを学んだ。本講座では、『神聖喜劇』講座で学んだこ とを、日本の敗戦後から1990年代後半までに書かれた大西の批評文を読むこと でさらに深めていきたい。それは現在われわれが直面している問題を解く手が かりとなるだろう。
①7月31日(土)午前  天皇制と中野重治
 ──『五勺の酒』をめぐって
 報告=渥美 博(編集者)/松岡慶一(HOWS事務局)
②9月11日(土) 天皇制と短詩系文学
 報告=安里ミゲル(詩人)/加部洋祐(歌人)
③9月18日(土) 湯地朝雄「『コンミューンの日々』をめぐって」を素材に
 
報告=井野茂雄(文化活動家)


6、この人にきく
①5月22日(土) 日本・朝鮮・沖縄
 ──辺野古反基地闘争のなかで考えること
 講師=金治明(キムチミョン)(沖縄戦と朝鮮人強制連行を記録する会)
②5月29日(土) オリンピック・パラリンピックを中止に!
 講師=谷口源太郎(スポーツ・ジャーナリスト)
③6月26日(土) キューバ。共産党第8回大会を終えて
 講師=クラウディオ‐ モンソン(駐日キューバ大使館政務担当一等書記官)
④7月17日(土) コロナと感染症法改悪の問題点
 講師=五島真理為(医療カウンセラー)
⑤8月28日(土) 権力と闘う“売れない写真家”
 ──『闇に消されてなるものか―写真家・樋口健二の世界』(監督=永田浩三) 上映
 ゲスト=樋口健二(報道写真家)