2023年度前期 開講講座
5月9日(火) 18時45分~(開場18時30分)
講演 憲法と沖縄とウクライナ
──いまこそ「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し」行動するとき
  講師=高良鉄美(参議院議員・会派「沖縄の風」)

1、黙っていられるか!
 ──労働者のたたかいが未来をつくる
 異常な物価高がわたしたちの生活を直撃している。労働者・人民の怒りを逸らそうと岸田政権と経団連は今春闘で「ベースアップ容認」の大号令をかけたが、実質賃金はマイナスのままだ。賃上げの波及しない非正規労働者、女性、高齢者、外国人労働者等の生活困窮はいっそう深刻だ。
 この社会を根底から変革するには、労働者・労働組合による職場生産点でのたたかいを再建し、拡げていく以外にない。世界と日本の取り組みから学び、協働して前進しよう。
①5月20日(土)  オリジン労働者50数年の闘いの記録
 ──その成果と後輩に伝えたいこと
 講師=二瓶久勝(元オリジン労働組合委員長・元国鉄闘争共闘会議議長)
②5月31日(水)  許すな! 壊憲・軍事費倍増・社会的弱者切り捨て
 ──労働組合はデタラメ極まる岸田政権とどう闘うべきか
 講師=二瓶久勝(元オリジン労働組合委員長・元国鉄闘争共闘会議議長)
③7月29日(土) 労組活動家がざっくばらんに語る
 ──職場生産点を基礎とした活動をどのように強めるか
 講師=吉良 寛(自治体労働者)
 庄子正紀(全国一般・全労働者組合書記次長)
 藤原 晃(神奈川・学校労働者)
④7月30日(日) 世界の青年労働者のたたかいの現状を見る
 ──世界民主青年連盟セミナーに参加して
 講師=近藤和樹(日本社会主義青年同盟『青年の声』編集部)
④7月30日(日) 職場生産点から声をあげる女性たち
 ──つながる・変えるために必要なこと
 講師=藤本愛子(国公労連支部委員長)
    米丸かさね(パート清掃労働者)

2、急速に戦争国家への道を歩む
 ニッポン
──日本社会でなにが起こっているのか

 いま、日本社会は安保関連3文書の閣議決定により「戦争できる国」から「戦争する国」に質的転換していく過渡期にある。戦争準備の態勢づくりに突きすすんでいるのだ。その実態と背景を明らかにし、抗う方向を討議しよう。
①5月24日(水) 活かせ! 日本国憲法 阻もう! 「戦争でき
 る国」から「戦争する国」への質的転換

 講師=萩尾健太(弁護士)
②7月1日(土) 統一協会問題から日本の教育を考える
 ──
自分の頭で考える力を奪う教育の実態
 講師=髙嶋伸欣(琉球大学名誉教授)
③7月8日㈯ デジタル化と民主主義
 ──
監視資本主義にどう立ち向かうか
 講師=内田聖子(NPO法人アジア太平洋資料センター<PARC>共同代表)

3、日朝・日韓連帯運動の課題を探る
 日本政府の朝鮮敵視政策により朝・日関係が悪化の一途を辿る中でも、日本各地の日朝日韓運動はたゆまず歩み続けてきた。朝鮮半島との友好の道はいかにして開けるのか。日朝・日韓の労働者がともに声を上げて日本帝国主義の植民地主義に抗おう!
①6月28日㈬ この国には朝鮮学校がある。
 ──『高校無償化問題が問いかけるもの──朝鮮学校物語2』 の編集にたずさわって
 講師=金東鶴(在日本朝鮮人人権協会事務局長)
②7月29日㈯ どうしたら階級的労働運動を築けるのか
 ──DVD『ゼネストへ! 1996冬~1997前進する韓国労働者階級』(韓国・労働者ニュース制作団 1997年・34分)上映と、現在の極反動尹錫悦政権とたたかう労働組合の映像を観て考える
 講師=土松克典(韓国労働運動研究)
③9月9日㈯ 関東大震災時の朝鮮人大虐殺から100年
 ──日本帝国主義による朝鮮植民地支配の歴史を検証し、犠牲者のこえをきく
 講師=金哲秀(朝鮮大学校朝鮮問題研究センター付属在日朝鮮人関係資料室室長)

4、沖縄から現在をみる
 米軍と自衛隊の基地建設強行にミサイル配備、演習による騒音の激化と基地による甚大な汚染。「復帰50年」を経た沖縄の現在は、労働者・人民の主権を脅かす日米安保の現状でもある。憲法、国際主義の観点から、沖縄と連帯するたたかいの道筋をともに考える。
①5月9日㈫ 憲法と沖縄とウクライナ
 ──いまこそ「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し」行動するとき
 講師=高良鉄美(参議院議員・会派「沖縄の風」)
②9月23日㈯ 沖縄から世界へ平和の風を!
 ──反帝反基地運動の最前線から訴える
 講師=金治明(沖縄戦と朝鮮人連行を記録する会・名護市在住・辺野古カヌー隊)

5、第三世界(非同盟運動)の
 過去、現在、そして未来へ

 「グローバルサウス」という言葉がメディアの報道でもしばしば聞かれるように、アメリカ帝国主義による一元的支配に陰りが見えつつある現在、国際関係における非同盟運動に参加する第三世界諸国の存在感は増している。だがその発展への道程は坦々たる一本道ではなく、ときには思いもかけぬ蹉跌にも直面した。本シリーズでは、「非同盟」という形で結集した世界の諸国・諸人民の帝国主義に抗するたたかいの過去・現在・未来をとらえる。
①6月3日㈯ 【過去】1955年のバンドン会議から
 1960年代~80年代の成果と困難
 講師=高演義(フランス文学者)
②7月22日㈯ 【現在】ソ連倒壊をへて
 「人道的」帝国主義による試練の1990年代~2010年代
 講師=林裕哲(朝鮮大学校外国語学部准教授)
③8月26日㈯ 【未来】今後の非同盟運動のゆくえ
 ──2022・ウクライナ戦争以降
 対談=高演義(フランス文学者) 林裕哲(朝鮮大学校外国語学部准教授)
④9月20日㈬ 戦争を拒否するたたかいの歴史と
アメリカ帝国主義に関する国際人民法廷
 講師=大村歳一(編集者)

6、日本の短編小説を読む
(開始は各回とも午後6時30分)
 今期は宮本百合子の創作およびエッセイを特集する。
 こんにちいかなる陣営、いかなる次元においても顧みられることがないのは「我」の問題である。
 だが近代とはなにかを問う優れて日本的な文学上の課題とされてきたのがこの問題であった。
 「我」の問題はこんにちどのようなアクチュアリティを持ちうるか。
 『大いなるもの』というエッセイに百合子はこう書いている。
 「主我! それは、真にたとうべくもあらぬ尊いものである。此の世に生れ出た以上は、自己を明らかにし、自己を確実に保つ事の目覚しさを希うて居る。何事に於ても、「我」が基になるほど確な事はない。」
 「我」の問題にあらためて向き合うことによって、新しい文学ヘ向かうわれわれの視点が切りひらかれる。
 講師=立野正裕(元明治大学教員)

①5月13日㈯ 『日本文学の扉をひらく 第三の扉
  戦争とたたかった人たちの物語』を読む
  ──著者の立野正裕さんを囲んでの報告と討論
  報告=伊藤龍哉(HOWS受講生)山本恵美子(HOWS受講生)
②6月14日㈬ 『その年』
③7月12日㈬ 『大いなるもの』『冬を越す蕾』
④8月23日㈬ 『一太と母』
⑤9月13日㈬ 『自然描写における社会性について』

7、労働者のたたかいを描く 映画を観て討論する
①8月5日㈯ 『地の塩』(H‐ビーバーマン監督・1954年・アメリカ・97分)

 労働組合がたたかい抜くということは、時代を切り拓く意識の獲得と実践の道を記していくこと。その変化は労働者の生活の隅々まで、そして婦人問題まで広がっていく。レッドパージを受けた鉱山労働組合が実体験をもとに制作した映画史に残る傑作。
②9月2日㈯ 『炭坑』(G‐W‐パプスト監督・92分・1931年・ドイツ)
 国と国が争っていても、労働者は連帯できる、いや、連帯しなくてはならない。独仏国境のアルザス=ロレーヌ地方の鉱山で実際に起こった落盤事故(1906年)をナチスの政権獲得の直前に映画化した作品。


8、この人にきく
①5月17日㈬ 共和制発布100周年を迎えるトルコ
 ──東西文明の交わる歴史と文化、そして大地震の状況をきく
 講師=イナン‐オネル(翻訳家・映像家)
②5月27日㈯ 『ワタシタチハニンゲンダ』(2022年・114分) 上映と討論──高賛侑監督を囲んで
③6月7日㈬ ゆらぐ水の安全と公共性
 ──PFASと水道行政の分割移管・民営化路線
 講師=菖蒲谷眞一(全日本水道労働組合書記次長)
④6月10日㈯ 全人代後の中国の対外政策を考える
 ──緊張激化させる「米統合抑止戦略」とは
   同盟国に軍拡迫り、「退場」準備の米国
 講師=岡田 充(ジャーナリスト)
⑤6月21日㈬ 福島に移住してから7年
──反原発運動などに関わるなかで考えたこと
 講師=二瓶一夫(福島県三春町在住)