HOWSで学ぼう
抵抗と変革を志すひとびとへ

●平和への道を歩む世界の人びととの連帯を
 2019年度後期のHOWSは、韓国バッシングの嵐に抗してはじまります。対韓国外交で強硬姿勢へとエスカレートするのは安倍政権だけではありません。メディアも韓国への憎悪を煽り、視聴率や販売部数を伸ばす好機とばかりに居丈高になっています。「今はさあ、とにかく韓国をたたこう」とはテレビ局のワイドショー制作デスクが言い放った言葉です。電車の中吊り広告には「韓国なんか要らない」「韓国という病」など週刊誌によるヘイトスピーチまがいの文字が踊っています。そして、この事態に多くの日本人が溜飲を下げています。
 しかし、あらためて問いたいのです。わたしたちは日本の朝鮮半島に対する植民地支配の全貌をどれほど知っているか、と。恐ろしいほどの無知や無関心が日本人の歴史認識をねじ
曲げ、安倍政権の誤まった外交姿勢を支えているのです。わたしたちは朝鮮半島の民族分断の悲劇を引き起こした責任は、米国の侵略・戦争行為と、日本の戦前の植民地支配にあるこ
とをあらためて確認しなければなりません。そのうえで、わたしたちは全世界の平和をめざす人びとと、腕を固く結ばねばなりません。そのためには現在の問題の背景にある過去の歴
史を直視し、しっかりと学びなおすことが絶対に必要なのです。

●討論・行動を通じて、一人から集団の形成へ
 国会では“安倍一強”政治が依然として続いています。国政選挙では野党共闘が模索され、れいわ新選組の動向や反緊縮運動が注目されています。しかし、わたしたちは選挙だけでなく、大衆運動に基盤を置く闘いこそ重要だと考えます。なぜなら、資本主義の飽くなき利潤獲得への渇望による矛盾が職場や生活の場に集中してあらわれているからです。だから、わたしたち労働者・人民こそが起ちあがるべきなのです。かつて作家・文芸評論家の花田清輝は「何故に楕円を描かないのであろうか」と問いました。焦点がひとつの円よりも、二つの焦点を持つ楕円を「矛盾しているにも拘らず調和している、楕円の複雑な調和」であると花田は称揚しました。
 まもなく、安倍首相の在任日数が憲政史上最長となります。この停滞を突破するには、さまざまな意見や課題をもった個人による連帯が必要です。わたしたちは、本来対立するはずと思われるような二つの焦点でつくられる多面的な楕円を描くイメージのもと、HOWSを通じて安倍政権に対して連帯して闘うことができる集団をつくり出したいと考えています。

●HOWSとは?
 2000年に開講したHOWSでは、さまざまなテーマをつうじて、わたしたちが生きる21 世紀の現代世界がいったいどのような姿をしているのか、そしてそれにわたしたちがどのようにかかわり、変革の担い手になりえるのかを一貫して追求してきました。HOWSは講座に参加する全員で、この社会を根底から変革する思想と文化の創造、その方法をも探求する場を創りあげることをめざしています。「講師=教える人」、「受講生=教えられる人」ではなく、ともに討論していく場です。1回の講座で問題がすべて理解でき、解答が与えられるかと言えば、必ずしもそうならないこともあります。また講座に参加したことによって、新たな疑問や課題が見つかることもあります。問題を多角的かつ、継続的に考えることができるのも、HOWS講座の魅力です。
 現代への疑問と不満を抱き、その矛盾の解決をめざし、そのための真実の思想と文化を求めるあなたの参加を待っています!